2007年3/9 (有)レザン研究アール嶋田潤治様 講習会開催

嶋田潤治様 コープかながわ総菜部同行の御報告
横浜支店  小川弘通
スチームコンベクション(以下スチコン)を用いた商品開発の提案及び生産性向上提案、嶋田様開発商品のタレのご紹介。

【嶋田先生のセミナー部分抜粋】
現在のスパーマーケットの総菜は午前中に80%の商品を作ってしまい、夕方の売り場に鮮度感・出来立て感が無い。スチコンをうまく利用し、計画生産をしてゆけば午前50%生産午後50%生産で出来立てを提供できるお店になる。これには前提として、具材のキット化・タレの利用が必要になる。出来れば*1ブラストチラーがあれば計画生産がし易い。
*ブラストチラー・・・瞬間冷却機で、細菌の発生しやすい25度~40度を一気に通過して冷却する装置。(クック&チルド)後日の再加熱で3日後にも提供可。スチコンはマルチ調理器具で揚げ物、焼き目以外どんな調理も可能である。そこで、調理法、温度、時間の共通な料理で分ければ和洋中も関係なく一緒に調理可能である。今回は調理時間、温度が一緒の物で筑前煮・肉じゃが・鯖味噌煮を調理する。135度25分で3品作製。また、6段のスチコンであれば、6種又は6倍量の調理が可能である。 つまり15分加熱のアイテム6種で(1種10パック分生産)、1時間3回転させれば1時間で180パックの生産が可能である。さらにメリットは歩留まりが良く調理できる点である。間接調理である為、具材が動かない。よって煮崩れなどせず、容積が変化しにくい。スチコンの歩留まりはおおよそ90%で計算でき見栄えの良い(具材が大きい) 栄養価の高い(生から調理可能)商品が出来る。今後スチコンを活用し、出来立て感のある、栄養価の高い、商品を提案してゆく必要があるのではないか。スチコンを持っていないチェーンでも出来立て感は演出でき、成功した例もある。総菜部のバイヤーからパートまでの意識を変えてゆく必要がある。
【食材のカット】
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小さなまな板で6種類のメニュー分の食材を切っていました。
まな板にはゴミ、かすが少しも残らないのに感動しました。
下の写真は、ホテルパンに食材を並べた様子です。
上から、筑前煮・肉じゃが・鯖味噌煮
食材を一人でどんどんカットして行く姿は正に職人。

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【調理タレを入れる】

食材を満遍なくならべ、タレを入れていきます。 希釈は料理によって変えていけばよいようです。
今回は6種類タレを用意して頂きました。みそ味タレ・鯖味噌用タレ・塩タレ・マーボータレ等

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【スチコン利用商品完成】

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上記は、肉じゃが、鯖味噌煮の完成品画像です。試食でも味、食感共に好評でありました。
時間は25分程度で完成し、その間にフライパン調理品を2品してしまう段取りの良さでした。
3時間の講習でかなり中身の濃い物という印象です。
【試作品材料一覧】
①筑前煮
鶏もも肉2枚・ごぼう1本・人参1本・黒こんにゃく1枚・筍水煮1本・冷凍さといも500g
②肉じゃが
じゃがいも10ヶ・人参2本・糸こんにゃく2袋・豚切り落としスライス400g・いんげん200g
③鯖味噌煮
鯖切り身10~12枚・しょうが1片
④マーボー茄子
ナス10本・合挽き肉400g・長ネギ1本・赤黄ピーマン各1ヶ・山椒
⑤味噌焼肉
豚肩ロース500g・玉葱1ヶ・筍水煮1本・人参1本・いんげん1パック